ジェームス・ヴォーン James Vaughan

アイルランド出身。伴奏ピアニストおよびコレペティトゥール(※)としてヨーロッパで高い人気を誇り、長年にわたり活躍している。

ダブリン音楽トリニティ・カレッジで作曲と音楽学を学び、ソリストとしてロンドン・トリニティ・カレッジおよびメンデルスゾーン財団より奨学金を授与されたほか、ヨーロッパ各地の主要音楽祭に招かれ、ウィーン学友協会の黄金の間でも演奏。歌曲伴奏ピアニストとして、また室内楽団「アンサンブル・コントラスツ・ウィーン」の創立メンバーとして、ブラームス・ザール、コンツェルトハウスなど、ウィーンの主要コンサート・ホールに頻繁に登場。オペラ分野では、イタリア政府より奨学金を受けローマ聖チェチーリア音楽院で学んだのち、ウィーン室内歌劇場の音楽ヘッドコーチに就任。その後、ウィーン国立歌劇場でソロ・コレペティトゥールを務め、アバド、小澤征爾、ドミンゴ、カレーラスなど現代を代表する指揮者および歌手と仕事をしている。2015年6月にはバリトン・レオヌッチ氏のスカラ座ソロリサイタルのピアニストを務めるなど、その音楽性とテクニックは世界の一流音楽家から厚い信頼を得ている。2005年、ミラノ・スカラ座の音楽教育研究所所長に就任。

 

※コレペティトゥール

オペラにおいては、各配役に対して実際の公演の際のオーケストラが奏でる音をピアノで演奏し、個人練習の伴奏と助言をすることで、歌手の譜読みや暗譜、さらに発音矯正の手助けをし、音楽の理解を深めさせる仕事である。ただ単にピアノ譜を弾くだけでは済まず、オーケストラ・スコアでの初見演奏・無調・プレストの弾き歌いや穴埋めまで要求される。